一関工高(佐々木直美校長、生徒344人)の3年生は6日、一関市の萩荘中で2、3年生120人に対し国際リニアコライダー(ILC)の出前授業を行った。小道具を用いて素粒子物理学の難しい研究を分かりやすく説明し、夢のある国際プロジェクトへ関心を引き付けた。

 電気科と電子科の15人が先生役を務め、実験装置が20キロもの延長になるILCが膨大な電力を使うことを説明。その電力は、運動エネルギーを電気エネルギーに変えることでつくられる仕組みを、手回し発電機などを用いて教えた。

 実験を通じて生じる排熱の二次利用など、エネルギーの地産地消を図る「グリーンILC」の取り組みを進め、自然に優しい研究所となることも解説した。

 ILCは同市を通る北上山地(北上高地)が世界的な建設候補地とされる。授業を受けた3年の両角(もろずみ)光市さんは「中学で学んできたことが、ILCにつながると実感できた。説明も分かりやすく、年齢が近いのに大人だと思った」と熱心に耳を傾けていた。

 講師の高校生たちは事前に県のILC解説普及員の講義を受けて必要な知識を身に付け、放課後など空き時間に授業資料を作成。中学校側との打ち合わせや下級生への模擬授業を経て本番に臨んだ。

 電子科の佐藤翼さんは「教えることで自分自身も理解を深められた。発表力は社会に出て役立つと思う。将来、仕事を通じてILCに関われたらうれしい」と手応えを得た。