2021.12.06

しらせ 暴風圏を進む

大きな波しぶきを上げ、暴風圏を進む観測船しらせ=5日午後0時27分、南大洋・南緯60度付近
大きな波しぶきを上げ、暴風圏を進む観測船しらせ=5日午後0時27分、南大洋・南緯60度付近

 【しらせで報道部・菊池健生】第63次南極地域観測隊(牛尾収輝(しゅうき)隊長)を乗せた観測船しらせ(酒井憲艦長)は南極・昭和基地に向け、荒れる海域「暴風圏」を進んでいる。5日は20メートル以上の波しぶきを上げて航行したが、先代しらせよりは揺れず航海は順調だ。

 同日は南緯60度付近を西進。船が大きな波を乗り越えるたび、一瞬浮いたような感覚になる。船にぶつかった波は、高さ22メートルにある鑑橋の窓に打ち付けた。

 南大洋には強い偏西風が吹き荒れる暴風圏がある。南極に向かう船は「ほえる(南緯)40度、狂う50度、叫ぶ60度」と呼ばれる海を越えなければならない。

 しらせは海氷を割って進めるよう船体がおわん形で、一般的な船より波の影響を受けやすい。それでも現在のしらせは減揺装置があり、最大50度以上傾いた初代しらせ(2008年引退)よりも波の影響を受けにくい設計。近年では荒れている方というものの、今回の最大傾斜は14度だ。

 63次夏隊員の高木悠(ゆう)さん(30)=国土地理院、佐賀県唐津市出身=は「かなりの揺れを警戒していたが、想像よりはひどくない。これだけの波でも安定して進めるのはすごい」と感心していた。

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