朝夕の冷え込みが厳しくなり、沿岸にも冬がやってきた。陸前高田市と住田町を取材する中で、両市町を流れる気仙川沿いに、四季の移ろいと雄大な自然を日々感じている。

 山あいの道を車で走り回り、春は河川敷の見事な桜並木、夏はみずみずしい深緑を堪能。秋は沿道の木が一斉に色づく。最近は澄んだ空気に落ち葉がひらひら舞うのがうれしい。着任して8カ月が過ぎ、「インドア派」を自称した学生時代からは考えられない暮らしを送っている。

 「この地の縄文人は徒歩で20キロは移動して、海のものを入手したといわれています」。11月に参加した住田町上有住の気仙川周辺を歩くイベントで同町の一般社団法人ふるさと創生大学の千葉修悦理事長(67)が説明した。海から遠く離れた縄文遺跡の小松洞穴に、シカやアユのほか、カツオやアサリを食べた跡が残っているという。

 交易があったのか、はたまた取りに行ったのか。山川の恵みに飽き足らず、海産物も味わった食へのこだわりに驚いた。同時に、土地は自然を共有してつながっていることに改めて気付かされた。

 食も景色も、豊かな自然は人類共通の宝だ。気仙川でつながる管内で縄文人に負けじと、来年も飽くなき探究心で宝探しをしていきたい。

 (菅原真由)