2021.12.29

真夏のブリザード、12月観測は2年ぶり 南極days(2)

ブリザードが吹き荒れる昭和基地(写真上=27日午後2時12分)。前日夕方(写真下=26日午後4時53分)は青天だった
ブリザードが吹き荒れる昭和基地(写真上=27日午後2時12分)。前日夕方(写真下=26日午後4時53分)は青天だった

 穏やかな夏が一変した。第63次南極地域観測隊(牛尾収輝隊長)の昭和基地到着後初のブリザードが27日、吹き荒れた。12月の観測は2年ぶり。珍しい夏の嵐が過ぎ去るのを待った。

 低気圧の影響で未明から風が強く、朝から吹雪になった。撮影のため宿舎から少し出ると横殴りの風。厳冬期の岩手山山頂にいる感覚になった。普段何げなく歩く道も、2千メートル級の山の上にいる覚悟が必要と実感。午後1時までの速報値は最大瞬間風速27・1メートル、平均風速21・5メートルだった。

 ブリザードは北米での吹雪の呼び名で、南極でも使う。日本隊は基準を設けA、B、Cの3段階に分類。今回は視程1キロ未満、6時間以上、平均風速10メートル以上のC級だった。A級は視程100メートル未満、平均風速25メートル以上とすさまじい。

 急変とはいえ、実は気象隊員が予報を出し、前日夕方の打ち合わせで知らせてくれていた。昼前には、屋外から基地主要部か非常食のある近くの建物に避難しなければならない「外出注意令」が発令されたが、隊員たちは朝から宿舎を出ていなかった。

 同基地によると、12月のブリザード発生回数の平年値は0・4回。62次越冬隊員の天城正人さん(34)=気象庁、神奈川県横須賀市出身=は「低気圧が近づくと夏でもまれにブリザードがある。天気で隊活動が大きく左右されるため重要な予報だ」と語る。

 まだ南極の入り口に立っただけ。今後の越冬での経験が楽しみではあるが、未知の自然環境への恐れも感じている。