大船渡市盛町の木町の市日にはまっている。毎月5と0が付く日に開催され、地元農家が育てた野菜や果物がずらりと並ぶ。早起きしなくてはならないが、生産者と談笑しながら野菜を買える温かい雰囲気が好きで、通いつめている。

 地元の農作物に興味を持ったのは、2人の農家の影響だ。1人目は陸前高田市米崎町の吉田凜之介さん(25)。化学肥料を使わず、農薬も最小限にする「体に優しい農作物」へのこだわりを聞き、同い年ながら感銘を受けた。生産者の顔が見える安心・安全から、おのずと手が伸びる。

 もう1人は大船渡市日頃市町の休石(やすみいし)昭一さん(85)。取材で訪れた際に昼食をいただいたのだが、米のおいしさが今も忘れられない。

 かむと甘みが口いっぱいに広がる。「市販とここまで味が違うのか」と衝撃を受けた。もりもり食べる私に休石さんは「地元を流れる鷹生(たこう)川のきれいな水と、稲を毎日見て変化を確かめることかな」とおいしさの秘訣(ひけつ)を教えてくれた。

 ホタテやワカメなどの海産物は、もちろん大船渡の代名詞。だが、支局生活が2年に迫ると、海の幸だけでは収まらない土地の魅力を感じることが多くなった。この地で暮らすからこそ気づく感覚を大切に、来年も発掘し、発信したい。

(清川航矢)