久慈地域の今年の記事を集めたスクラップブックを眺めつつ、「久慈は冬でも雪が少なく、住みやすい所」と書こうとした矢先、外を見れば雪景色の師走となった。

 2021年の久慈地域最大のニュースは、東日本大震災の復興道路として国が整備してきた三陸道が全線開通したことだろう。最後に残っていた普代-久慈間の25キロが18日に完成し、八戸市から仙台市を結ぶ全長359キロが一本の高速道でつながった。

 この「大動脈」を活用し、県内外から多くの観光客を呼び込もうと、各自治体の動きが活発になっている。

 中でも期待が大きいのは、源泉湧出量が減少し営業休止していた久慈市山根町の新山根温泉べっぴんの湯が本年度中の再開を目指していることだ。新たな井戸を採掘したところ、以前と同等の強アルカリ性の源泉を確認。「肌がすべすべになる」と評判の湯が戻ってくる。

 4月に着任したばかりで土地勘がない中、住民に道順を優しく教えてもらいながら温泉施設にたどり着けたことを思い出す。人の温かさも久慈地域の魅力だ。

 かつて山根を訪れた俳優の故森繁久弥さんが温かいもてなしに感激して、「別嬪(べっぴん)村」と命名したことから名付けられた名湯に、ぜひ入りに来てもらいたい。

(木村亮)