2021.12.24

世界最古級の氷を求めて 南極支局、掘削地点調査へ出発

内陸遠征に向けた準備が進む拠点「S16」。22日に雪上車がそりを引き、ドームふじ基地へ向かった=18日、南極大陸(本社小型無人機で撮影)
内陸遠征に向けた準備が進む拠点「S16」。22日に雪上車がそりを引き、ドームふじ基地へ向かった=18日、南極大陸(本社小型無人機で撮影)

 【昭和基地で報道部・菊池健生】気候変動の予測に役立てることを目指し、世界最古級の氷の深層採掘を準備する南極地域観測隊のチームが、今夏2度目の内陸調査に出発した。2024年から本格的な掘削を始めるため、ドームふじ基地(標高3810メートル)周辺で掘削地点を調査する。

 隊員11人が22日午前7時35分(日本時間午後1時35分)、昭和基地から約20キロにある南極大陸上の拠点「S16」を雪上車で出発。雪氷観測などを行いながら、みずほ基地を経由し、20日ほどかけて約千キロ離れたドーム基地を目指す。

 今回は、既に一度往復した62次越冬隊と航空機で入った63次先遣隊に、63次隊員3人が加わった。1回目の往復は物資輸送が主な目的で、1日に同基地に到着。S16まで戻り、18日からは新メンバーらと再出発の準備を進めてきた。

ドームふじ基地への出発に向けた物資をしらせ艦載ヘリから運ぶ観測隊員ら=18日、南極大陸「S16」

 2回目は掘削地点を決めるため、基地周辺の数カ所でアイスレーダーを使い、氷床の厚さや下の地形などを入念に調べる。南極の氷床は厚さ3千~4千メートル。氷中には過去の大気成分や物質が含まれている。垂直に掘って筒状の氷「アイスコア」を採取、分析すると、気候変動史を復元できる。

 日本隊はこれまで、72万年前までさかのぼれる3千メートル超のアイスコア掘削に成功。今回は80万年超の掘削を目指す。

 リーダーの中沢文男隊員(48)=国立極地研究所、新潟県燕市出身=は「新たなチーム編成となるが、掘削のスタート地点に立つために気を引き締め直したい」と語り、旅立った。

 

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