人前で話すことは難しいと痛感した一年だった。縁あって、管内の葛巻高と沼宮内高の生徒に講演する機会をいただいた。

 内容は取材の手法や記事の書き方、経験談などで、自分に与えられた時間は30分から1時間ほど。「1時間くらい何とかなるだろう」と高をくくっていた。

 だが、教師をしている同級生や友人に事前に助言を求めると「想像以上に疲れるし、苦労するから覚悟しておいた方がいいよ」と指摘された。本当にその通りだった。

 まず極度の緊張状態に陥り、自分が何を言っているかが整理できない。極力難しい話はしないように心掛けたものの、話の意図が伝わっているか分からず不安になった。

 7月の真夏の葛巻高では汗が止まらず、12月の沼宮内高では冬の寒さが身に染みるはずなのに、冷や汗をかいた。

 講演を終えてわれに返り、人に話すことも普段執筆する記事も同じだと改めて実感した。難しい行政用語や横文字の言葉を使うのではなく、聞き手や読者が読んで分かる内容が大切だということだ。

 新型コロナウイルス禍の影響で顔が見えない取材が多いが、子どもたちの真っすぐな瞳は目に入る。期待を裏切らないために、まずは記事で応えていきたい。

(菅川将史)