支局に着任して約9カ月。まだまだ知らないことばかりだが、花巻には世界に誇る人やものがあふれていると肌身で感じる。

 9月に取材した八重樫道代さん(43)もその一人。八重樫さんら、るんびにい美術館を中心に活動する障害者アーティストの作品は、パラリンピック閉会式のプロジェクションマッピングに採用された。

 閉会式当日に取材に伺い、八重樫さんに「世界中の人が見ますね」と聞くと「すごくうれしい」とつぶやき、照れくさそうな表情を浮かべた。現地で撮影された写真には、競技場に大きく投影された作品が写っており、式を華やかに彩っていた。

 取材の際、言葉に詰まりながらも、楽しそうに絵を描き続けていた八重樫さんの姿が今でも印象に残っている。「絵が好きだ」という思いがこもった作品は、言葉にせずとも、世界中の人々に感動を与えたに違いない。

 今年、県民を大きく沸かせた花巻東高出身の大リーガー菊池雄星投手と大谷翔平選手は、オールスター戦で母校のユニホームに「花巻から世界へ」とメッセージを記した。

 この言葉がふと脳裏に浮かぶ。これからも多くの場所に足を運び、世界から注目される花巻の魅力を見つけ出していきたい。

(大友亮)