2021.12.17

極地、踏みだす 63次隊昭和基地到着、夏の活動本格化へ

63次隊が到着した南極・昭和基地の中心部=16日午前10時5分
63次隊が到着した南極・昭和基地の中心部=16日午前10時5分

 【昭和基地で報道部・菊池健生】第63次南極地域観測隊(牛尾収輝隊長)は16日、観測船しらせ(酒井憲艦長)からヘリコプターで南極・昭和基地に入った。新型コロナウイルス感染対策で事前隔離、日本からの乗船を経て37日目で到着。短い夏の観測、設営、輸送が本格化する。

 ヘリは同基地まで7・5キロに迫ったしらせを出発。約5分飛行し、午前8時9分(日本時間午後2時9分)、隊員約20人が同基地のヘリポートに到着した。

 気温は氷点下0・5度。62次越冬隊員が「ようこそ昭和基地へ」との横断幕を手に出迎えた。両隊の隊員は笑顔でハイタッチし、牛尾隊長と酒井艦長が「初荷」を阿保敏広62次越冬隊長に手渡した。

阿保敏広越冬隊長(中央)に初荷を渡す牛尾収輝隊長(左)と酒井憲艦長=16日午前8時10分、南極・昭和基地

 日本から約1万4千キロ離れた基地に到着した牛尾隊長は「62次隊のおかげで円滑に夏のオペレーションが始められる。良い状態で仕事をやり切りたい」と抱負を述べた。

 62次越冬隊は31人で基地を1年間守ってきた。阿保越冬隊長は「全員が元気にこの日を迎えられてうれしい。(南極生活の)先輩として、うまく連携していきたい」と感慨深げに仲間を迎えた。

 氷山や間近に迫る南極大陸に見とれそうになるが、隊員は早速、物資の配送作業を開始。気候が穏やかな夏の間に行っておきたい観測や設営作業は多く、慌ただしい日が待っている。

 昭和基地は1957(昭和32)年1月、第1次観測隊が南極大陸を目の前にしたリュツォ・ホルム湾の東オングル島に開設。日本の主要基地として数々の成果を上げてきた。現在は世界の気象観測網の拠点にもなっている。大型レーダーやアンテナ、観測施設のほか、隊員の居住棟、発電施設などを備えている。

 しらせは11月10日、日本を出発。現在は同湾内におり、12月20日ごろまでの接岸を目指している。63次隊員は順次、昭和基地入りし、接岸後は雪上車を使った物資輸送や野外観測、設営作業が本格的に展開される。

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