東京五輪が開催された2021年。新型コロナウイルス禍で日常と異なる生活だったが、趣味のランニングは例年以上に楽しんだ。

 北上市では2月、いわて北上マラソン大会(10月10日)が開かれることが決まった。台風とコロナで3年連続で中止となり、日本陸連公認では最後の大会。出場者募集の取材時、担当者から「取材も兼ねて走りませんか?」とのお誘いもあり、なまった体を絞ろうと早々にエントリーした。

 フルマラソンは過去2回完走したが、その練習は楽な方向に走りがちな自分との戦いそのものだ。一方、大会では充実感とともにその成果を確かめられる。

 練習場所は開園100周年を迎えた展勝地の桜並木、季節ごとに姿を変える山河、千年以上前に栄えた国指定史跡の国見山廃寺跡―。美景は五感を刺激し、息切れや筋肉痛を忘れさせる特効薬となった。

 野生動物と遭遇することもしばしば。カモシカは精強で感動したが、猛暑の夏に蛇を踏みそうになった際は冷や汗をかいた。

 ところが、本番の約1カ月前、コロナ感染拡大を受けて大会中止が決定。練習の成果を確かめる場はなくなったものの、「継続は力なり」。そう自分に言い聞かせ、新年もフットワークを軽くしながら地域の魅力発掘にひた走りたい。

(稲垣大助)