繁華街近くに住んでいると、まちのにぎわいがじかに伝わる。新型コロナウイルス感染症が流行した夏以降の宮古市内では、今年の流行語となった「人流」がめまぐるしく変化した。

 客足の減少から、宮古駅前の商業施設キャトル宮古の閉店も決まった。深夜の路地にようやく酔客らの声が戻ってきたのは10月ごろ。再び動きだした流れに乗って、飲食店街が舞台のスタンプラリーにプライベートで参加した。

 企画したのは宮古市崎鍬ケ崎の日出島漁港でホタテ養殖業・隆勝丸を営む平子(たいこ)昌彦さん(41)。ラリー対象店でホタテ料理を注文し、全9店舗を制覇すると景品が当たる。

 休日に店をはしごして2週間ほどで制覇した。景品として平子さんからもらったのは「HOTATEBAKA(ホタテバカ)」の文字をあしらったTシャツ。「ホタテ屋としてばかになる」思いが詰まっている。

 ほかの取材現場では地域活性化に必要な「よそ者」と「ばか者」の概念や、長寿の秘訣(ひけつ)を「ばか話をすること」と語る人にも出会った。いずれも本来の「愚か」という意味を超え、根底に愛着がにじむ。

 愛し、愛される関係性が言葉の意味すら変える例ではないか。いい意味で「ばか者」として、新しい年も全力疾走したい。

(佐藤渉)