一関工高(佐々木直美校長、生徒344人)の3年生は、市内の小中学校で国際リニアコライダー(ILC)の出前授業を行う。候補地の生徒として計画をしっかり理解し、関心をさらに若い世代に広げる取り組み。22日は一関市萩荘の同校で模擬授業を行い、これまでの学習成果を発表。指摘された助言を踏まえ、12月の本番へ内容を磨き上げる。

 「宇宙創生の謎に迫る、日本が初めて主導する国際プロジェクトです」。電気科と電子科の15人が4班に分かれ、スライドを使ってILCについて授業。発表後は「声が聞こえない」「もっと分かりやすく」などと改善点を指摘し合った。

 出前授業は市と連携して行う取り組みで、12月に小学校、中学校各1校で行う。理科の「エネルギー」などの授業内容にILCを関連させて説明する。

 これまで自校での科学教室などで講師を務めた生徒たちは、今月初めの授業でILCを学習。その後、空き時間に班ごとにパソコンで授業用スライドを作成し、準備を進めてきた。

 「電磁石」の授業でILCを紹介する熊谷恒大(こうた)さんは「計画や研究を十分に理解しないと教えられない。専門的な言葉も分かりやすく伝えたい」と、仲間の発表にも真剣に耳を傾けた。菅原萌さんは「担当するプログラミングの授業とILCをどうつなげるか。楽しみながら学べるようにしたい」と工夫を凝らす。

 ILC解説普及員で、生徒への授業も行った岩手大の藤崎聡美技術専門職員(49)は「教える側に立つことで、自分のこととして理解できる。小中学生にとっても、身近な『先生』を通してILCに触れることができる絶好の機会だ」と期待する。