久慈市山形町の郷土料理「まめぶ」は、江戸時代から正月や結婚式、法事などの際に食べられてきた地域の行事食だ。取材先でごちそうになるときもあり、支局生活を満喫している。

 まめぶは、しょうゆ味の汁にクルミと黒砂糖を包んだ親指大の小麦粉団子、ゴボウ、ニンジン、油揚げなどを入れるのが一般的。団子をかんだ瞬間、甘さがしょうゆ味の汁と絡み、優しい味に変わる。

 最近になって川井、霜畑、小国、荷軽部、日野沢、戸呂町、繋、来内の町内8集落によって独自の料理法があることを知った。団子に黒砂糖を入れずクルミのみのところもある。また、団子の形も丸いものと細長いものがあり、おめでたいときは丸く、不幸のときは細長い集落がある一方、その逆もあるという。

 町内の別の集落から嫁いだ女性から「自分が食べてきたまめぶを作ることも食べることもできず困った」と聞いたときは驚いた。

 昔は凶作の年でも年貢を納めるために「百姓は麺類やそばきりを食べてはならない」とのご法度が出された。まめぶは、人々がそれを知恵で乗り越えてきた歴史の証しでもある。

 そんなまめぶを国の無形民俗文化財登録を目指す活動が動きだしている。念願がかない、登録が決まった日には「晴食」として味わいたい。

(木村亮)