2021.11.11

大志を乗せて、しらせ出発 第63次南極地域観測隊が昭和基地へ

離岸するしらせ甲板から手を振り、南極・昭和基地に向けて出発する観測隊員=10日午前8時56分、神奈川県横須賀市(報道部・菊池健生撮影)
離岸するしらせ甲板から手を振り、南極・昭和基地に向けて出発する観測隊員=10日午前8時56分、神奈川県横須賀市(報道部・菊池健生撮影)

 【観測船しらせで報道部・菊池健生】第63次南極地域観測隊(牛尾収輝(しゅうき)隊長)の本隊は10日、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地から、しらせ(酒井憲(けん)艦長)に乗り込み、昭和基地へ出発した。新型コロナウイルス感染防止のため、今年も観測隊員は日本から乗船。12月中旬には同基地に入る予定だ。地球の過去・現在・未来や宇宙の謎に迫る地での活動に向け、隊員は早速、船内で準備に励む。

 同日朝、出迎える海上自衛隊のしらせ乗員が並んだ船に、観測隊員が次々と乗り込む。牛尾隊長と酒井艦長はグータッチし、成功を誓い合った。隊員は甲板に整列し、手を振って出発。付近の公園から家族や同僚らが見送った。

 隊員は感染防止のため、横須賀市内の宿泊施設で2週間の隔離後に乗船した。牛尾隊長は「今日からはしらせの乗員と一つのチームになる。いつもより長い船上生活になるが、対面での交流を進め、準備を万全にしてほしい」と話した。

 しらせは今後、補給のためオーストラリアに立ち寄り、海洋観測を行いながら南下する。12月中旬に昭和基地沖に到着し、本格的な物資輸送を始める予定。同基地を来年離れ、62次越冬隊と63次夏隊を乗せて、3月には日本に戻る。

 観測隊を迎えた酒井艦長は「南極行動の任務を完遂できるよう、隊と連携して慎重に船を進めていきたい」と決意を語った。

 63次隊は夏隊員43人、越冬隊員31人で構成。夏隊は教員ら6人、越冬隊は岩手日報社の菊池記者が同行する。気候変動史解明が期待される、世界最古級の氷の深層掘削に向けて準備する先遣隊6人は、既に南極大陸で活動。大型大気レーダーによる大気の精密観測や、新型気球を使った観測など計画は多岐にわたる。

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