2021.10.28

地球の謎、異変に迫る 本紙記者ら第63次隊来月出発

南極での活動に備え、雪上の歩行訓練をする63次隊員ら=3月、長野県・湯の丸高原(報道部・菊池健生撮影)
南極での活動に備え、雪上の歩行訓練をする63次隊員ら=3月、長野県・湯の丸高原(報道部・菊池健生撮影)

 第63次南極地域観測隊(牛尾収輝隊長)は28日、新型コロナウイルス感染対策のため、出発前2週間の隔離に入る。厳しい極地で重ねたデータは大きな意味を持ち、地球の環境センサーとしての存在感は増す。今回は地方紙記者として初めて、岩手日報社報道部の菊池健生記者(30)が越冬し「知のフロンティア」で活躍する隊員を報じる。出発前に63次隊の活動予定と観測の意義、本県との関わりを紹介する。

 63次隊は地球の気候変動への危機感が高まる中、数々の重要な観測を行う。特に注目されるのが、氷床を下方に掘り進め、筒状の氷を取り出す「アイスコア」の採掘に向けた作業。氷には過去数十万年に及ぶ気温や大気の変化の情報が閉じ込められており、過去の把握と将来予測ができる。

 既に先遣隊6人が南極入り。2024年からの本格的な掘削に向け、内陸のドームふじ基地への物資輸送や調査など準備に当たる。来年も63次越冬隊などが同基地に向かう計画。日本隊は72万年前までの気候変動史が記録されたアイスコアを掘削しており、今回はより古い年代の情報が記録された「世界最古級」の掘削を目指している。

 気候変動へのアプローチは多岐にわたる。正確な予測につながる「大気重力波」を調べるため、新型気球を使った観測も初めて実施。昭和基地にある南極最大の大型大気レーダー(PANSY=パンジー)と連携し、重力波の効果を立体的に解明する。融解の仕組みを知るため、氷河や海洋の直接観測も予定する。

 オーロラや地磁気、温室効果ガスなどの基礎データを取得する観測も継続。昭和基地周辺では人間活動が現地の生態系に与える影響を調べるため、土壌微生物モニタリングを実施する。これまで未踏査だった露岩地域での地質調査も行う。地道なデータの積み重ねによる人類への貢献はもちろん、知的好奇心を満たす発見や気付きも期待される。

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 詳報は、10月28日付の岩手日報本紙をご覧ください。

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