新トレ@盛岡地区広報協議会

 盛岡地区広報協議会(会長・高橋享孝(きょうこう)盛岡市広聴広報課長)は15日、盛岡市中ノ橋通のプラザおでってで開いた研修会に、岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」を取り入れた。盛岡広域の自治体職員が新聞編集のノウハウを広報作りに役立てようと、熱心に学んだ。

自治体職員ら研修会

当日の紙面を教材に、新聞編集のノウハウを学ぶ自治体の広報担当職員ら

 葛巻町を除く7市町の広報担当職員16人が参加。岩手日報社の記者らが講師を務め、当日の紙面を教材に、前半は新聞編集技術の基本を伝えた。生ニュースは「5W1H」で構成し、1段落目に最も重要な要素を盛り込んで書き、結論がすぐ分かるよう工夫されていることを確認した。

 写真は、記事をより分かりやすくするため、構図を考えて撮影する点を説いた。冗漫に書かれた問題文を、新聞記事のように簡潔な文章に書き換える体験も行った。

 後半は報道部記者が取材に臨む前の準備や、地域の話題をどう得ているのか、メモの効率的な取り方などについて講話。受講者からは「ニュースリリースの中から取材先を選ぶポイントは」「写真撮影で子どもの笑顔を引き出すにはどうすればいいか」などの質問が出た。

 記事の内容を最小限の文字数で伝える見出しは、生ニュース、サイド、雑感など記事の種類によって付け方が異なる点を解説。この数カ月で特に読者の目を引いた見出しの良作を紹介した。

 同協議会は、盛岡広域8市町の広報担当者らが編集力向上を目指し定期的に研修会を行う。高橋会長は「密接に情報交換できるよう自治体同士の連携をさらに進めたい」と意欲を示す。


8市町、研さん続ける

田村事務局長一問一答

 研修会の狙いなどを盛岡地区広報協議会の田村友季事務局長(盛岡市広聴広報課副主幹兼広報係長)に聞いた。

(聞き手=NIE・読者部 鈴木義孝)

「自治体同士連携して研さんを続けたい」と語る田村友季事務局長

-研修会に新トレを取り入れた狙いは。

 「協議会は盛岡広域8市町で構成している。各自治体の公務員が人事異動で広報担当になるが、最初は紙面作りの技術はなく、取材や写真撮影、読者に伝わる記事をどう書くかなど、手探りでやっている。今回は紙面作りのプロに学ぼうと企画した」

-8市町がどのように連携しているか。

 「定期的に研修会を開催している。今はどの自治体もパソコンで編集しており、技術的なことや悩みは同じ土俵で話せる。広報紙は互いに送り合い、どんな記事をテーマにしているのか、印象的な写真やレイアウトなど、普段から参考にし合っている」

-広報編集にとって新聞とは。

 「住民に情報を届けるツールとして、広報だけでは力が及ばない。新聞には私たちが知らない地域の話題、住民の活動が載ることがあり、その情報網にはいつも刺激を受けている。同じ現場を取材しても、広報と新聞では取り上げ方が異なり、新聞は深掘りした内容になっている」

 「今回の講座で、これまで見出しを十分に意識せず、単調になっていたことに気づいた。新聞の見出しは記事の中身を短い文字に置き換え、神経を使っていることが分かった。その言葉の練り方を取り入れたい」

-自身と新聞の関わりは。

 「岩手日報と全国紙を購読している。正直に言って、若い頃は地元紙の良さが分からなかったが、年齢を重ね、ローカルな話題や気持ちの入った読者の投稿などが腹にすとんと入るようになった。日報には盛岡市のことが多く載るので、毎朝出勤前に確認する」

-今後の協議会の活動は。

 「広報担当は盛岡は6人いるが、他市町は1人か2人。今の態勢で新しいことは難しいのだが、人数が少ない自治体は特に学びの場がほしいと考えていると思う。研さんの場として定期的な研修を続けていきたい」


広報もりおか1月1日号

伝わりやすい文章を

盛岡市広聴広報課 吉田 琢哉さん(30)

 広報担当になり新聞をじっくり読むようになった。広報も中学生が理解できる文章を心がけており、新聞記事のコンパクトな書き方や見出しの付け方は参考になる。担当3年目だが、学ぶべきことは多い。分かりやすく伝わりやすい文章を書けるようになりたい。

 

広報くずまき1月号

写真に情報盛り込む

葛巻町いらっしゃい葛巻推進課広聴広報係長 
星野 千晴さん(43)

 簡潔で分かりやすい文章作りを心がけている。撮影時には視覚的効果に加え1枚の写真の中に、より多くの情報を入れるように意識。写真からもその時代を振り返られるものにしたい。新聞記事は、見出しや表現など、言葉の選び方を参考にしている。

 

広報はちまんたい1月号

心掛ける読み手目線

八幡平市企画財政課 伊藤 真吾さん(33)

 見出しの工夫や表現の重複を避ける文章など勉強になった。新聞には読者の目を引く工夫がされ、仕事に役立ちそう。レイアウトや写真が難しいが、心掛けているのは読み手目線。事実を伝えることに加え、市民の方が考え、役立つような広報をつくっていきたい。

 

広報いわてまち1月号

住民に助けられ制作

岩手町企画商工課 遠藤 康平さん(33)

 広報作りで特に難しいのは見出し。少ない文字数で要点を伝えたいが、どうしても説明的になってしまうので、新聞の見出しの付け方は参考になる。地域の方々からの情報提供にいつも助けられており、広報は住民の活躍があってこそ成り立つことを痛感している。

 

広報たきざわ1月号

工夫して若者に発信

滝沢市企画政策課 岩崎 詩穂さん(23)

 硬い話題でも軟らかな見出しを付けたり、取材では地域のキーパーソンを見つけることなど、実際の仕事と重ねて納得できる助言が多かった。滝沢市には学生ら若者が多い。若い世代も地域に興味を持ち、良さを知ってもらえるよう、情報発信を工夫していきたい。

 

紫波ネット1月号

準備の大切さ知った

紫波町企画総務部企画課 阿部 祐樹さん(33)

 広報を担当し1年目。町の動きやイベントを追い、毎日新たな発見があり楽しい。心掛けているのは、読者にとって分かりやすい文章。講座では取材に臨む事前準備の大切さを知ることができた。記事と写真のイメージを膨らませ、現場に行くようにする。

 

広報しずくいし1月号

伝えたいこと明確に

雫石町政策推進課 中村 博さん(43)

 大事なことから先に書いていく新聞記事の成り立ちを知ることができた。写真加工技術が向上し、広報紙の視覚的効果が高まっている。文章も伝えたいことを明確にしたい。役場の各課から来る原稿の情報を精査し、住民の立場になって読みやすくしていく。

 

広報やはば1月号

編集のスキル生かす

矢巾町企画財政課 山下 浩平さん(31)

 文章を簡潔にまとめ、効果的な見出しで分かりやすく伝えるなど、新聞編集には広報に生かせるスキルがある。寄稿による読者交流など紙面を通じた新たな展開やコミュニケーションの事例が印象的。町民の琴線に触れ、活動につながるような広報を目指したい。

 

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