高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)は国際リニアコライダー(ILC)計画について、文部科学省の「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想(ロードマップ)」への申請を取り下げた。国際協力態勢が進展し、申請内容と現状に違いが生じたとの理由。国内誘致を目指す戦略も軌道修正となる。

 ロードマップ案のパブリックコメント(意見公募)が8日始まったのを受け、KEKが発表した。2月28日に申請後、3月27日に取り下げた。

 KEK広報室によると、申請直後にILC計画を推進する国際将来加速器委員会(ICFA)が準備研究所の設立に向けた国際推進チームの設置方針を決定。従来より強力に実現への段取りが進められる方向となった。このため申請内容も一新が迫られるため取り下げたという。

 本県と宮城県にまたがる北上山地(北上高地)が建設候補地とされるILCを巡っては、日本政府が国内誘致の可否を検討中。実現を目指す研究者コミュニティーは日本学術会議が1月公表したマスタープランで学術的意義を有する「大型研究計画」に位置付けられた結果を踏まえ、次の国内手続きとして文科省ロードマップに申請していた。

 同広報室は「当初の提案ではチームを立ち上げ、国際協力態勢の枠組みを作って次のステップに行くとの具体的内容が書かれておらず、古いもので提案しても仕方ない。チームの活動を強力に進め、計画実現に近づけたい」としている。

 同チームは8月設置され、KEKを拠点に、ILC準備研究所の設立整備に着手している。