新トレ@ジョブカフェいわて

新聞の効率的な読み方や見出しの付け方を学ぶ参加者

 盛岡市菜園のジョブカフェいわて(高橋宏昇センター長)は8月27日、体験型セミナー「しごとトークカフェ」に岩手日報社のNIB講座「新トレ(新聞トレーニング)」を取り入れた。就職活動中の学生、求職者ら13人が幅広い仕事に生かせる新聞編集の工夫を学び、記者の仕事に理解を深めた。

 

記事読み見出し考える

 岩手日報社の記者が講師となり、編集から配達までの流れや、紙面の構成について説明。最小限の文字数で記事の概要を伝える見出しは、ニュース価値に応じて大小をつけていることや、記事は結論から書き、1段落目に重要な要素を盛り込んでいる点を紹介した。

 当日の新聞記事を使い、見出しを付ける体験に取り組んだ。受講者は見出し部分を削除した紙面コピーを読み、できるだけ少ない文字数で記事内容を要約。編集記者が言葉をどう吟味し、見出しを仕上げているのか、難しさを実感した。

 後半の「トークセッション」では、施設カウンセラーが岩手日報記者をインタビュー。仕事の内容や勤務時間、取材での苦労、やりがいなどを聞き、受講者からの質問に答えた。

就職活動や働き方を専門のキャリアカウンセラーが支援するジョブカフェいわて

 体験型の「しごとトークカフェ」は初めて企画。高橋センター長は「記事に見出しを付けるのは、ニュースの要点を把握する作業で、さまざまな仕事に通じる技術。貴重な体験ができた」と手応えを感じていた。

 

活用したい確かな情報

佐藤育男チーフカウンセラーに聞く

 講座開催の狙いなどをジョブカフェいわてチーフキャリア・カウンセラーの佐藤育男さんに聞いた。

(聞き手=NIE・読者部 鈴木義孝)

「情報の信頼性が高い新聞を求職者はもっと活用してほしい」と語る佐藤育男チーフキャリア・カウンセラー

-新型コロナウイルス感染症の影響は。

 「本県に緊急事態宣言が発令されていた4、5月の期間は、施設を一時クローズし、原則的に対面での支援はなしにした。完全閉館ではなくウェブ、電話、メールで相談に対応したので、現時点で来館者は前年度に比べて減っているが、ウェブなどを通じた相談件数は逆に増えている」

-この時期に体験型セミナーを企画した狙いは。

 「就職氷河期世代への支援を強化する政府方針を受け、本年度から施設利用の対象をおおむね35歳までから、45歳に引き上げた。講師の話を聞くだけでなく、実際の仕事を体験し、さまざまな業界に理解を深めてもらう。今回は氷河期世代の参加は少なかったが、新たにミニ企業面接会も始める予定だ」

-求職者にとって新聞は必要か。

 「インターネットのニュースでは弱い。幅広い情報が網羅されている新聞は、世の中の動きを知るには一番だ。学生、求職者、転職希望者はいずれも、地元で就職するなら地元の新聞に目を通すべきだ。就活の直前に読み始めても、読み方が分からない学生もいる」

-自身と新聞の関わりは。

 「毎朝、岩手日報に必ず目を通す。職場には全国紙、地域紙が置いてあり、就職活動の話題、企業の情報、動向などをチェックしている。常日頃、面談やキャリアカウンセリングで若者と会うので、共通の話題がないと困る。インスタグラムやツイッター、ユーチューブ、TikTok(ティックトック)も見るようにしている」

-就職活動に新聞をどう生かせばよいか。

 「新聞は政治経済、事件事故、芸能まで幅広く社会の動きが収められ、データとしての情報の確かさ、信頼性が他のメディアと比べて格段に高い。施設内で利用者はネットを見る人が多いのだが、新聞各紙を置いているのでもっと活用してほしい」


将来は「伝える」仕事に・上平 詩織さん

 見出しを付けた経験はなく、気付きが多かった。新聞に関心があり、学生時代には「やまゆり園」の事件を現地で調べ、社会や報道の在り方も考えた。社会学を学びたくて、大学に入り直している。社会や現実を冷静に見る力を付け、将来は「伝える」仕事に就きたい。

生かせる見出しの技術・清水 光樹さん

 見出しを通し記事のニュース、要素は何かということを考えた。ほかの仕事でも、自分の考えを端的に伝える技術になる。これまでの仕事とは違った分野を知りたいと思って参加し、新聞が多くの人が関わってできていることを知ることができた。

新聞社が身近になった・遠藤 初美さん

 夫の転勤で盛岡に転入し、マナー講師として働くことを目指している。言葉に携わる仕事をする上で、記事の見出しを付ける技術は参考になると感じた。後半は記者のリアルなライフスタイルに関する話も聞けて、新聞社のイメージがより身近になった。

知らない世界を学べた・小林 航士さん

 新聞が読者に届くまでのプロセスが垣間見えて、知らない世界を学べて有意義だった。人に恵まれたいい環境の岩手で働きたい。就職活動では自分の思いを伝える機会が多く、情報収集力が大事だ。いかに自分をアピールするか、考える上でも勉強になった。

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