「例年通り」という言葉が苦手だ。毎年開催されているイベントなどの取材で変更点を尋ねた際に「去年と何も変わらないよ」と言われると、意気消沈してしまうことがある。

 一方で地域住民の方々から興味深い話を聞く機会があった。「若い世代の流出が深刻で、人を集めるのが年々難しくなってきている。恒例のイベントを開催できるだけでもありがたい」とのこと。「去年と一緒の内容か」などと高をくくっていた自分の考えを改めるきっかけとなった。

 今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、毎年行っていた行事が開催できない事態が続いている。管内でも岩手町の田んぼアートや葛巻町の夏の成人式などが中止や延期に追い込まれた。町の象徴的なイベントを楽しみにしていた人の心を思うと、やるせない気持ちでいっぱいだ。

 私事だが、7月下旬から右膝の手術のため、初めて入院を経験した。車いすや松葉づえでの移動を余儀なくされる日々。規則正しい生活のおかげで夏の暑さははっきりと実感できたが、病室から見える景色は昨年までとは明らかに異なっていた。

 記者の基本は足で稼ぐこと。まずは膝をしっかり完治させ「例年通り」の記事を書くことがないよう、管内を駆け回りたい。

 (菅川将史)