今年の夏は新型コロナウイルス感染症対策でマスクを着用していたため、一段と暑く感じた。体中から汗が噴き出し、シャツがべたついた。心と体をリフレッシュするため、仕事の合間や休日に花巻市内の温泉施設に何度も足を運んだ。

 汗を流し、熱い湯に漬かって天井を仰ぐと思わず頬が緩む。透き通るようなきれいな湯や、肌に溶け込むようなとろとろの湯など、温泉により泉質はさまざま。「毎日温泉に入りたい」と心から思った。

 コロナ対策で施設のあちこちにアルコール消毒液が置かれ、衣服を入れる脱衣所のかごの間隔も確保されており安心して入浴できた。今月からは小中学校の修学旅行生の受け入れが本格化し、万全の態勢で子どもたちを迎え入れている。

 東北有数の温泉地である花巻温泉郷のファンとして、コロナ禍で大きな打撃を受けている温泉関係者の悲痛な声を聞くたびに胸が痛んだ。県境をまたぐ移動の自粛が求められてから利用客は激減。月の売り上げが例年の10分の1に落ち込んだという施設もあった。

 苦境に立たされても笑顔を絶やさない従業員の丁寧な接客が「また行きたい」と思わせてくれる。これから徐々に寒くなるが、温泉地を彩る紅葉や四季折々の料理を楽しみに足しげく通いたい。

(斎藤拓真)