2020.09.16

最愛の妻へ おかえり 震災で不明、大槌の男性が遺骨引き取り

震災から9年半を経て、妻裕子さんの遺骨を受け取る三浦憲さん(中央)。左隣は長男崇さん=15日、大槌町小鎚・納骨堂
震災から9年半を経て、妻裕子さんの遺骨を受け取る三浦憲さん(中央)。左隣は長男崇さん=15日、大槌町小鎚・納骨堂

 東日本大震災で家族5人を失った大槌町大町の会社役員三浦憲(あきら)さん(62)に15日、妻裕子(ゆうこ)さん=当時(53)=の遺骨が9年半を経て引き渡された。求めていたDNA型鑑定はかなわなかったが、裕子さんの生前写真との照合など、県警の地道な捜査が後押しした。最愛の妻を胸に抱いた三浦さん。「9年半たってこういうことがあるなんて…。感謝しかありません」と涙を拭った。

 遺骨は震災直後に見つかりながら、身元不明として保管されていた。県警の画像鑑定で生前写真と顎の骨格や鼻筋などの特徴が一致。膝をけがした際に撮ったエックス線写真との照合や、可能性のある他の行方不明者を別人と確認する捜査を経て特定した。

 ただ震災後の火災で損傷が激しくDNA型鑑定は未実施だった。「自分自身にけじめをつけたい」(三浦さん)と、岩手医大で行った鑑定も「鑑定不能」との結果だったが、家族で相談し引き取ることを決めた。

 県内の震災行方不明者は8月末現在、1112人。裕子さんの身元特定で、発見されたものの身元不明の犠牲者は48人となった。

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 三浦さんのストーリーなどを追った震災企画「あなたをさがして」は、岩手日報ホームページで全話ご覧になれます。

 

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