奥州市の県立胆沢病院(勝又宇一郎院長、346床)に入院した患者の家族から特命取材班に「患者の診断情報を業務に関係ない事務職員も知っているのはおかしい」との疑問が寄せられた。取材を進めていたところ、胆沢病院は4日、委託業者の30代女性事務職員が、電子カルテを業務外に閲覧したと認め、家族に謝罪した。病院によると、電子カルテは委託先従業員を含め約800人の大部分が閲覧可能。県内でも新型コロナウイルスの感染者が確認される中、有識者は患者情報の厳格な管理の必要性を指摘する。

 患者は同市の80代女性。家族によると、女性は昨年11月、同病院に入院した。病気のため今年3月に他の病院で亡くなった。付き添っていた60代の長男が診療中のやりとりを職員から告げられたことを不審に思い、病院に5月、文書で説明を求めた。

 病院によると、職員は女性の親族。家族の指摘後に調査した結果、職員は昨年11月以降、電子カルテを約50回閲覧していた。

 病院によると、電子カルテの情報は緊急時を含め、業務を円滑に行うために閲覧制限は設けていない。病院は個人情報保護に関する研修会で職員を指導するとともに、チェック体制を強化して再発防止を図る。