行き先を定めず流れるダイナミックな線と、鮮やかな色彩-。27年間にわたり何千枚もの絵を描いてきた釜石市箱崎町出身の芸術家小林覚(さとる)さん(31)=花巻市石鳥谷町=は初の画集「微笑みの国 小林覚画集」を出版した。自閉症が分かった幼少期から現在に至るまで作風の変化を感じ取り、独自に編み出された造形美を味わえる。

 覚さんの作品を語る上で欠かせないのが「サトル文字」だ。独自のリズムで表現される文字は、踊るように一つの「絵」として仕上がっていく。画集には計85作品を収録。サトル文字以前に描かれた絵日記など素朴な作品もある。

 小学6年の時、地元の小学校から釜石養護学校(現釜石祥雲支援学校)に移り、そこで出会った恩師佐藤卓郎さん(70)が才能をいち早く見いだした。中学部2年の時に初めて個展を開いて以来、県内各地で継続し、毎年多くの来場者を魅了する。来場者の名前を描く「逆サイン会」も人気を集める。

 画集は3500円(税別)。釜石市の桑畑書店と同美術館で購入できる。