梅雨の時季が過ぎて夏本番を迎えたが、今年はどこか心が晴れない。新型コロナウイルスの感染拡大は今も続いており、多方面に悪影響を及ぼしている。

 宮古市を含めて県内各地で陽性者が確認され、人々の不安は高まっているが、コロナの渦中だからこそ希望を感じた取材があった。

 宮古市の日中友好協会(後藤康文会長)は、コロナが中国で猛威を振るい始めた2月、苦心して品薄のマスクを確保し、現地の病院に寄贈。日本で感染拡大した段階では、この病院から大量の医療物資が贈られた。段ボールには「風雨の中で同じ船に乗り、困難を共にする」と激励の言葉。後藤会長らが国を超えて育んだ絆の強さを実感した。

 各地区の中総体では、子どもたちのはつらつとした笑顔が印象に残った。規模縮小によって3年生は地区大会が最後の舞台。悔しさや無念の思いは当然あったはずだが、取材した生徒の口からは大会開催を支えた周囲への感謝の言葉があふれた。

 目に見えないウイルスへの過剰な恐れは、疑心暗鬼や攻撃的な考えを生む。各自が予防策を徹底しつつ、周囲への思いやりの心を持って負の連鎖を断ち切る必要がある。手はつなげないご時世だが、心をつないで立ち向かいたい。

(刈谷洋文)