2020.08.15

福井県敦賀市・岸本博義さん

 超低空飛行の艦載機は既に手が届きそうに近い

福井県敦賀(つるが)市 岸本博義さん

 

 

 敦賀駅に勤務していた。艦載機が現れたのは1945年7月30日午前。B29の焼夷弾(しょういだん)攻撃から3週間もたっていない。米軍機の爆音を聞いた。車両の打音検査で小さな異常も聞き分ける自慢の耳。「いつものB29と違う」と直感した。防空壕(ごう)へ走ったが間に合わない。とっさに貨車の端に潜り込んだ。同時に、車両のもう一方の端に爆弾が落ちた。ガーンと大きな金属音がして、何も聞こえなくなった。両耳の鼓膜が破れていた。右腕に破片が食い込み、あごがぱっくり切れた。傷は今も残る。

 

(2015年に福井新聞が取材、当時86歳)

(福井新聞社提供)