戦時中も毎日を懸命に暮らしていた、映画「この世界の片隅に」のすずさんのような人々のなにげないエピソードを伝え、2度と戦争を起こしてはならないと、岩手日報社などがメディアの枠を超えて発信する企画「#あちこちのすずさん」。映画で主人公すずの声を担当した、女優のんさんの思いを聞きました。

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 今まで映画「この世界の片隅に」ですずさんの声をやらしていただくまでは、戦争について実感が湧いていませんでした。授業で習ったりとか、映画やドラマで触れたりしてきたけれど、違う世界のお話のように思えていました。

 映画ですずさんに触れて、毎日のご飯のこととか、おしゃれをしたりとか、ロマンチックな思い出があったりとか、そういう日々のことに触れていくと、共感できるエピソードがあり、どんどんリアルに感じられていきました。

 本当に#あちこちのすずさんのように日本中にすずさんがいて、自分たちと同じ〝人〟が生きていて、戦争はこの日本という場所であった現実のことなんだと思えると、すごくそれは目をそむけてはいられないことだなと考えられるようになりました。

 心の浅いところで、「あ、怖いな」と目をつぶるところから、ちゃんと心の奥に重く落ちてくる。私はそういう感覚があったので、これからの時代をつくっていく皆さんの中にも“すずさん”が存在し続けたらいいなと思います。


 

記憶 つないでいく 読者へのメッセージ

 「あちこちのすずさん」に参加してくださっている皆さま、ありがとうございます。本当に素敵なエピソードをたくさんシェアしてくださって、私もすごく気持ちを動かされました。これからも「あちこちのすずさん」の記憶をつないでいきたいなと思っています。そしてこれから、「あちこちのすずさん」に参加したいなって思ってくださっている方もぜひ一歩を踏み出して、素敵なエピソードを寄せていただけたらうれしいです。