「奇跡の水門」の記憶を次代へ―。普代村は、東日本大震災で津波から村を守った普代水門の教訓を絵本にする。交流を続ける大阪府の追手門学院大の学生たちが作った紙芝居を基に制作。ふるさと納税を活用して8月29日まで寄付金を募っている。

 普代水門は普代浜にある高さ15・5メートルの水門。故和村幸得(こうとく)元村長(1909~97年)が建設を計画し、84年に完成した。35億円以上に及ぶ総工費などに住民からは反対の声も大きかったが、和村元村長は1896(明治29)年の大津波で村に到達した15・2メートル以上の高さにこだわり、周囲を説得して建設にこぎつけた。

 震災では普代水門が津波を阻み、中心部は大きな被害を受けずに済んだ。同様に、太田名部地区で和村元村長が建設を計画した防潮堤も集落を守り、村内の人的被害は死者なし、行方不明者1人。住宅被害はゼロだった。