県南部で今月、警察官や市職員をかたる男らがキャッシュカードをだまし取り、現金を引き出す特殊詐欺被害が相次いで発生している。盛岡市の百貨店カワトクの系列店に絡めたり、同店の従業員をかたる不審な電話も頻発している。

 花巻市では15日正午ごろ、80代女性の固定電話に盛岡東署員を名乗る男が「アネックスカワトクの時計店であなたのカードが不正に使われている」と告げ、信じた女性は住所などを教えた。その後、電話がつながった状態で警察官を名乗る別の男が自宅を訪れ、カードの端にはさみで切り込みを入れ「使えなくしたので預かる」と話し、立ち去った。女性が16日に市内の郵便局で口座を確認すると、現金約100万円が引き出されていた。

 北上市の80代女性は13日、医療費の還付金名目で電話・来訪した市職員や金融機関の職員をかたる男らにカード2枚をすり替えられ、現金計数十万円を引き出された。

 カワトクの従業員を名乗り、個人情報を聞き出そうとする不審電話は17日までの4日間で一関市、北上市を中心に計14件確認。県警生活安全企画課によると、「時計の保証書を入れ忘れた」「荷物をお送りします」などと伝え、情報を得ようとしたという。

 カワトクを運営する川徳の太田誠・総務担当課長は「われわれの名前が犯罪に利用されていることは大変遺憾」と憤慨。同課の下谷紀雅・特殊詐欺対策補佐は「自分だけで判断せず、必ず家族や警察に相談してほしい」と呼び掛ける。