第163回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、直木賞は馳星周(はせ・せいしゅう)さん(55)の「少年と犬」(文芸春秋)に決まった。

 「少年と犬」は釜石市で被災した1匹の犬「多聞」の道行きを描いた連作。東日本大震災半年後の宮城から物語が始まり、多聞はさまざまな境遇の中、懸命に生きる人々と出会いながら九州を目指す。これまでもさまざまな形で震災を描いてきた作者の「震災を忘れない、忘れさせない」との思いも込められた一作だ。

 馳さんは故郷の北海道浦河町の居酒屋で電話連絡を受け、左手の親指と人さし指で丸印。「書けるだけ書き続けたい」と喜んだ。