朝学習でスクラップ

紙面をめくり、興味のある記事を探す下橋中の生徒

 盛岡市の下橋中(松葉覚(さとる)校長、生徒227人)は毎月特定の1週間をNIE週間に設定し、全校生徒が新聞を活用した朝学習に取り組んでいる。1週間を通した活動で「読解力」「社会への関心」「文章力」「伝える力」を育む。取り組み始めて2年目。佐々木俊江指導教諭(57)は「社会情勢に関心を持つ生徒が増えてきた」と効果を実感する。

 5月のNIE週間は第4週に実施。朝学習の10分間を使い▽新聞を読み、興味のある記事を探す(月曜)▽選んだ記事をワークシートにスクラップし、記事の要点にラインを引く(火曜)▽記事を要約し、感想を書く(水、木曜)▽4人1組でワークシートを交換し、互いに感想を書く(金曜)-の流れで展開した。

記事をスクラップし、要約や感想を書き込んだワークシート

 生徒は事前に、自分が使う新聞を自宅や校内の新聞コーナーから1人1部ずつ準備。持ち寄った新聞をめくりながら記事を探す生徒の表情は真剣だ。

 3年1組の生徒は、9月入学の影響、検察庁法改正案断念、コロナ禍でバンクシー新作公表など幅広いジャンルの記事に関心を寄せた。グループの交流では、他の生徒が選んだ記事と意見に触れ、社会への視点を広げた。

 岡田敬司さん(3年)は新型コロナウイルスに関する記事を選び、「大変な時期こそ、みんなで助け合っていくべき」と主張。平沼諒子さん(同)はNIE週間の取り組みについて、「記事を読み、現実社会の動きを知った上で授業を受けると、自分の考えが深まる」と受け止める。

 3年1組担任の小川睦子(ちかこ)教諭(52)は「教科書で習う知識を身近な社会と関連づけて考えられるようになった」と説明。「広い視野で物事を捉える力を身に付けてほしい」と願う。

 同校のNIE週間は、2018年のNIE全国大会盛岡大会を契機にスタートした。従来はクラスごとに生徒が輪番でスクラップ作りを実施していたが、1週間を通して全校で取り組む形に変えた。

 佐々木指導教諭は「継続することが大事。より効果的な方法を考え、改良を重ねながら活動を積み重ねていきたい」と展開を見据える。