新型コロナウイルス感染症の影響で多くのイベントが中止になった。洋野町の夏を盛り上げる種市ウニまつりと北奥羽ナニャドヤラ大会も取りやめになり寂しい限りだ。

 地域のイベントだけではない。被災地でも演奏してきた種市海鳴太鼓とおおの鳴雷(なるいかづち)太鼓のチャリティー演奏会も延期になっている。それぞれ結成35周年、20周年という大きな節目なだけに、メンバーは悔しさを募らせている。

 両団体が合同で演奏する「んだら~See you again~」は、両団体を指導する劇団わらび座(秋田県)の太鼓指導者が創作した。東日本大震災からの復興を祈って作った3部構成の曲で、時間などの都合で一部分しか演奏されてこなかったが、昨年に劇団が同町で公演した際、初めて通して披露された。

 時に悔しさをぶつけるように荒々しく、時に悼むように優しく静かな演奏は文字通り胸を打ち、いっときシャッターを切るのをやめて聞き入った。太鼓というシンプルな楽器が生み出す奥行きに本当に驚かされた。

 海鳴太鼓の中里利則会長(62)は「落ち着いたら必ず演奏会をやる。いつでもやれるように準備を欠かさないで備えたい」と時機をうかがう。心を震わす音色が町に戻ってくるのを心待ちにしている。

(佐藤遼太)