陸前高田市の広田湾漁協(砂田光保組合長)の高橋一成さん(53)は、市特産エゾイシカゲガイの稚貝を生産する人工採苗の試験に取り組んでいる。従来は海中で天然採苗をしており、稚貝を安定して確保するのが課題だった。技術を確立できれば安定生産につながるだけに、ブランド化と年出荷量100トンを目指す生産者も期待を寄せる。

 試験は陸前高田グローバルキャンパスに所属していた2018年に着手。採卵を誘発する方法や水中の浮遊幼生期、砂の中で生育する着底期の飼育について複数パターンを試し、2年目の19年は6~15ミリの稚貝153個の生産に成功した。

 1月から漁協職員となり、市の補助を活用して温度管理の機材やタンクなどを配備した。2月ごろの採卵期から順調に生育しており、複数パターンの生育条件を試験中。今年は8万個の稚貝生産を目指す。