新型コロナウイルスの感染予防のため、沿岸部の震災被災地で高齢者が参加するお茶っこの会や体操教室などが相次いで中止となっている。貴重な交流の場が無くなり心身の健康が心配されるが、「3密」を避けての活動が難しいのも事実。支援者は感染リスクを抑える新たな交流の在り方を提案する。

 大船渡市大船渡町の災害公営住宅で週5日開かれてきたお茶っこの会は集会所の利用制限を受け、4月から中止に。入居者の女性(87)は「時間が空いて寂しい。体操もみんなとやった方が楽しい」とつぶやいた。自治会長の菊地武雄さん(73)は「見守る側の負担が増えてきている。今は各部屋を回らないと、状況を確かめられない」と頭を悩ませる。

 被災地のコミュニティー形成に取り組む岩手大の船戸義和特任助教(41)は「お互いが元気であることを認識できる定期的な機会が必要だ」とし、同町が防災行政無線で1日2回流すラジオ体操に着目する。

 医療関係者らの指導を守ることを前提に「玄関先やベランダに出て、距離を保ちながら皆でできるといい。終わったときに手を振り合ったり、医療従事者に感謝の拍手をしたりするなど工夫を加えれば、直接話せなくても人と『会う』習慣になる」と提案する。