東京都内在住の本県出身女性から、新型コロナウイルス感染防止を理由に実父の葬儀への参列を拒まれたと特命取材班に情報が寄せられた。県は「葬儀は不要不急の外出に当たらない」との認識だが、親族や葬祭業者が県外からの参列を控えるよう求めるケースが相次いでいる。女性は、県内感染者ゼロが原因で「地域全体が過剰に自粛している」と対応に疑問を呈す。

 納得できずに葬儀に合わせて帰省したが、家族から「感染が広がったら自分たちはここに住めなくなる」と懇願され参列を諦めた。女性は「親の死に顔も見られないのは異常だ。感染者1号になるのが怖くて地域全体が過剰な自粛や差別を生んでいる」と訴える。

 盛岡市仏教会長で祇陀寺(ぎだじ)の吉田大信(だいしん)住職は「県外からの参列は見送り、家族や親族だけの葬儀が増えている」と現状を説明。一周忌などに合わせて改めて別れの機会も設けられるという。ただ家族葬が良いとは思わない。「葬儀は関わりのあった人が今生の別れをする場。お悔やみを言い、手を合わせる機会を奪ってしまう」ためだ。コロナ禍で葬儀の在り方も問われている。