花巻市内の老舗染屋は、新型コロナウイルス感染症拡大によるマスク不足を受け、衣類用のガーゼや木綿を活用してマスクを製造している。全体に模様のある小紋や藍染めなど、熟練の技を生かしたマスクは風合いの良い仕上がりに。着けた人の健康を守るだけでなく、心を晴れやかにしている。

 1781(天明元)年創業の同市愛宕町の小彌太(こやた)(小瀬川弘樹社長)は、地域住民らの要望を受けて4月からマスク作りに取り組んでいる。公営掲示板など選挙の七つ道具を作る際に用いる顔料プリントの技術で、布地に麻の葉模様や猫のイラストなどを印刷。社員が手縫いしている。

 同市鍛治町のせがわ京染店(瀬川卓哉代表)は、ぼかし染めした手拭いや風呂敷の端切れを使ってマスクを製造。同市石鳥谷町好地の染屋たきうら(滝浦麻理夫社長)は表地を藍染めしたマスクを販売。昔ながらの技術で染めているため、色移りしにくく殺菌作用も優れている。