トランペット奏者 佐々木駿さん(盛岡市)

 多くの人が目標とする全日本吹奏楽コンクールが中止となった。県大会、地区大会もなくなり、小学6年生や中高の3年生は学校生活の集大成を発揮できず、悔しさが募るだろう。

 人に聴かせたいという気持ちは、音楽に取り組む大きな原動力だ。その機会が減ってしまうことは、小中と吹奏楽をしていた自分の経験に照らしても、部活動になかなか身が入りにくいのではないかと思う。

 そこで今、インターネット上に部の演奏動画を寄せてもらうコンテスト形式の場を立ち上げようと、県内のプロ奏者らとともに動いている。単に演奏のうまさだけでなく、音楽への熱量が高いことや、部の魅力が詰まっているかも見られたらいいと考えている。

 楽器が吹けるのは「人生のスキル(技能)」だ。たとえ楽器から離れても、またいつでも戻ってこられる。オーストリアでの留学でつらかった時、ある教会の中に座っていたら、時の流れがとてもゆっくりで、ふに落ちた経験をした。

 今苦しくても道はある。「あっ、やろう」と思えたときに、いつでも音楽は受け入れてくれる。どうか焦らないでほしい。

(談)

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 佐々木 駿さん(ささき・しゅん)1984年生まれ。国立音大付高を卒業しオーストリア・リンツのアントン・ブルックナー音大に留学、トランペット専攻学科修了。岩手大教育学部音楽科講師。平成音大講師。県警察音楽隊講師。パシフィック・ブラス・オルケスタ音楽監督。36歳。盛岡市出身。