2020.05.21

楽器の違い 研究重ね

 
 

ジャズトランペッター(宮古出身)

 牧原 正洋

 新型コロナウイルスのニュースを見るたびに「岩手県感染者ゼロ」のテロップが目に飛び込んできます(原稿執筆時)。岩手県出身者として誇り高いです。故郷のみなさまには、この騒ぎが終息するまで平穏無事でいていただけたら、と都内から願うばかりです。

 春に予定されていた海外公演をはじめ、毎年恒例のバースデーライブ岩手ツアー、ホテルでのコンサートやイベント、講習会での講師、ジャズクラブでのステージ、この全てが自粛で中止になりました。

 仕事と収入がゼロです。コンサートのために高額なお金で手配したポスターやフライヤーは全てただの紙くずです。

 事務所の方々と綿密な打ち合わせをし、時間とエネルギーを注ぎ込んだアレンジも、披露されることもなく消えていきました。

 今ミュージシャンができることは何だろう? と自問します。

 まずは実力の現状維持、もしくはさらなるレベルアップ。

 トランペットを39年吹いてきて演奏はそこそこできるようになりましたが、仕組みには無知でした。

 そこで、契約していた楽器メーカーへ無理をお願いしタイプの違う楽器を20本用意してもらい、素材やベル形状の角度、塗装のメッキの違いを勉強。後日、記事をまとめ、楽器を並べて社員の方々へ2日にわたり楽器のレクチャーをする機会をいただきました。

 その後は、同じメーカーの、タイプの異なるマウスピースをお借りし自宅へ20本持ち帰り、カップの深さや形状の違いも研究。改めてジャンルに合わせたサウンドでトランペットを効率良く演奏する感じを体感できました。

 たまたま、知り合いの出版社から新しく出る、海外の教則本のレビューを頼まれたので、記事を書きつつその教則本を実際に演奏して動画をサービス。

 普段は仕事の譜面に追われ、教則本をじっくり吹く時間がなかったので、楽しんでいます。教則本を出版している身ながら、本当にすみません(笑)。

 レッスンもご時世に合わせてオンラインにてスタートしました。

 動画撮影をし、オンライン配信で自分が映るとなると、引きこもり生活のだらしない格好を映すわけにはいきません。髪をセットしたり、シャツを着たりと、いい緊張感です(汗)。

 この騒動が終息し、自粛と規制が解除されても、動画配信によるオンラインライブの時代に変わって行く気配を感じています。

 生ではないですが、都内のジャズクラブに行くのが難しい地方の方や体の不自由な方がタイムリーに動画を見て、聴いて、会員制交流サイト(SNS)に感想を投稿しているのを知り、これからの時代はこうなるのかと思いました。

 生活面では相当厳しく、払いは容赦なく来ます。5月の連休の後の仕事はゼロ。国からのお金はいつ? 不安は尽きないです。が、「朝の来ない夜はない」という言葉を信じます。岩手のみなさんお元気で。

 

 まきはら・まさひろ 1971年生まれ、宮古市出身。武蔵野音大卒。リーダーアルバム2枚。映画、ドラマへの録音、タレントサポート多数。教則本も刊行。東京都在住。

 

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