大槌町本町の田中正道さん(46)は4月下旬にも自宅でそば店「よりみちそばみち」を開業する。自身も東日本大震災で被災し、全国から復興支援を受け「町のために働きたい」と修業を積んでたどり着いた道。自宅敷地内に掘った井戸水を使ってそばを打ち、「きれいで豊富な大槌の地下水を使ったそばを味わってほしい。支援への感謝を伝えたい」と力を込める。

 2011年の大震災で同町須賀町の自宅は全壊した。自分の時間を削って全国から訪れるボランティアたちの姿を見て、「自分は自分のためにしか働いていない。町のために働きたい」と奮起。同年11月、一般社団法人おらが大槌夢広場で復興食堂の立ち上げに加わった。

 18年の自宅再建を機に夢だった古里でのそば店開業を決意。今年1、2月は江戸東京そばの会(東京都)に研修を申し込み、そば打ち漬けの日々を送った。田中さんはカウンターとテーブル計22席を設ける念願の自前の店で「町をにぎやかにする起爆剤になりたい」と腕をまくる。