新型コロナウイルスの感染拡大を受け、品薄になっている体温計。本紙特命取材班に「体温計用のボタン電池も品切れになっていて困る」との声が寄せられた。県内では多くの企業や学校が家庭での検温を求めており、その影響とみられる。消耗品のマスクや消毒液と違い、いずれ落ち着くとみられるが、インターネットでは店頭価格の数倍の高値で転売されている例もある。

 特命取材班に「長年使っていなかった体温計を起動しようとしたら電池が切れており、近くの店舗を回っても専用のボタン電池は品切れだった」との情報を寄せたのは盛岡市の70代男性。「新型コロナウイルス感染症の懸念が強まる中、体温計が使えないと困る」と訴える。

 売り場を訪ねてみた。同市本宮の薬王堂盛岡太田店の売り場には「体温計は一家族様、一点限りです」との張り紙。3月から品切れで、ボタン電池も欠品が続く。検温する機会が増え、需要が高まっているためだ。佐藤繭子ストアチーフは「全国的に在庫がない状況。次の入荷も見通せない」と説明する。

 メーカーは需要に応えようと増産に乗りだす。国内首位のオムロンヘルスケア(京都府)は、体温計の3月の受注数が前年同月比2・7倍に増加。就業時間の延長や休日出勤により生産態勢を強化している。広報担当者は「需要の最盛期は通常1月だが、今年は春を迎えても同規模の注文がある」と話す。