新型コロナウイルス感染症が広がる中、盛岡市の男性から「県内でも医療従事者への偏見や差別が起きている」と特命取材班に情報が寄せられた。不安を持つ市民が過剰反応したものとみられ、拡大すれば脆弱(ぜいじゃく)とされる本県の医療に無用の負担を強いることにもなりかねない。偏見や差別が感染症そのもの以上に社会へ打撃を与える恐れもあり、冷静な対応が求められる。

 特命取材班には、関係者から「医師も看護師も介護職もコロナの恐怖を感じながら働かなきゃならない。休めば人命に関わるのに何の支援もない」といった切ない声も届いている。

 岩手医大付属病院(矢巾町)の看護師は、夫が会社から「奥さんが医療従事者だから、コロナが出たら出社しなくていい」と言われたことに衝撃を受けた。院内感染が全国で広がる中、同病院では家族から「危険な仕事はしてほしくない」と言われた看護師もいる。

 県保健福祉企画室の吉田陽悦・新型コロナウイルス感染症対策監は「ウイルスのまん延に備え、医療従事者のほか物流部門など医療に関わる大勢が日夜頑張っている。県民にはぜひ応援してほしい」としている。