盛岡市は25日、新型コロナウイルス感染症で納税が困難となった事業者に送った徴収猶予申請書類の氏名欄に「滞納 太郎」と書いた記入例を同封していたと発表した。市税の徴収猶予は滞納とは全く異なるため、市は「不適切な表現だった」として送付先に謝罪し、記載例を改めた。

 市によると、市納税課の職員が記入例を作成。本来行うべき決裁を経ず、苦情が寄せられた24日までに計6事業者に送った。

 同課の吉田準之助課長は「言葉の持つ重い意味に配慮が至らず、コロナウイルスの影響でお困りの皆さまに大変申し訳ない。窓口の対応を含め再発防止に努める」と陳謝した。「作成した職員に悪意はなかった」としている。

 猶予制度は、災害などで売り上げが落ち込んだ事業者の市税納付を遅らせられる制度。同感染症に伴い3月末に事業者から問い合わせを受け、その後書類を作成して随時発送していた。

 書類を受け取った同市の会社社長(65)は「売り上げが落ち込み、社員の雇用を守りながら少しでも資金を残そうという時に送られてきて頭にきた。困っている市民の声に思いを寄せてほしい」と憤る。