一戸町特産の工芸品「鳥越竹細工」が、生産の危機にひんしている。材料となるスズタケが近年一斉に開花、枯死し、確保が厳しくなったためだ。再生には20年ほどかかるとされる一方で、生産者の高齢化も追い打ちを掛ける。本県沿岸部の一部に残るスズタケを使い製作を続けているが、作り手の減少や伝統技術の消滅が危惧される。

 スズタケはイネ科のササの一種で、高さ1・5~2メートル、直径8ミリほど。日本各地に広く分布し、しなやかで折れにくいのが特長だ。一生に1度、120年周期で開花し、種子を落とすとその後に枯死。多個体同調開花と呼ばれる現象で、広域で一斉に枯死するという。

 森林総合研究所東北支所(盛岡市)によると、本県では2015年ごろ盛岡市や滝沢市などで一斉開花。その後は同町や二戸市など県北でも確認された。県内で開花せず残っているのが確認されたのは岩泉、普代、田野畑、野田の4町村にとどまるという。