岩手の魅力を知り紹介するため「準備」
リレーエッセイ イワテライフの楽しみ方
まつみたくやさん第1回(全4回)

この記事が掲載される頃、私は岩手の仕事に一区切りをつけ、人生の次の章に向けての準備を始めていると思います。2009年に東京から帰郷し、たまたまの縁をきっかけにそこからフリーのMCとしてキャリアを10年積み上げました。そして今年、また岩手を離れます。
それにしても、岩手を知らなすぎる。生まれてから18年間、その後東京生活を経て、また10年間、人生のおよそ4分の3を過ごしている土地だというのに。行った市町村は限られているし、郭公だんごも食べたことがない、サッパ船にも乗ったことがない、河童と出会ったこともない。岩手を離れると決めてから、あそこにも行きたい、ここにも行きたい、という思いがどんどん顔を出してきました。
妻は岩手の人間ではなく、関東から嫁いでくれました。「白鳥が家の裏の川に来るなんて、向こうじゃ考えられないことよ」などと言います。岩手にいるからこそ、岩手の魅力になかなか気付くことができない。こんなにもったいないことはありません。だからこそ、この残された時間で岩手を知る。「ほら、東京行ったら、岩手の良いとこ紹介することもあるだろうし…」と、そんな言い訳をしながら、今日も「準備」という名の観光へ。
今月の人 まつみたくやさん
