新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、県央部の30代女性から「東京在住の伯母の来訪で祖母が介護を受けられなくなった」との声が特命取材班に寄せられた。感染拡大への警戒から同居する祖母の介護や看護のサービスが2週間にわたり休止。感染防止のためのサービス休止の統一基準はなく事業者の判断に任せられているが、専門家は「適切な感染防御をすれば過度に恐れる必要はない」と冷静な対応を求める。

 女性は60代の母親、90代の祖母と3人暮らし。要介護5の祖母は数年間寝たきり状態で、認知症の症状もみられる。ヘルパーや看護師の助けを受けながら、女性と母親が在宅で身の回りの世話をしてきた。

 しかし、都などが不要不急の外出自粛を求めた3月末、70代の伯母が実家の女性宅に突然帰郷。その話が伝わった介護事業所から「2週間ほど経過観察し、非感染が確認できなければ、訪問は難しい」と連絡を受けた。

 訪問介護や訪問看護、リハビリや入浴のデイサービスなど、祖母が受けていた全てのサービスが停止。母親は介護のため2週間の休職を余儀なくされ、女性は仕事への影響を防ぐために接触を避けて知人宅に身を寄せた。母親は「医療、介護関係者に感染させないためには仕方がない。ただ、親戚の来県が原因で、サービスが止まるのはやり切れない」とうつむく。