東日本大震災後に宮古市を中心にスクールカウンセラー(SC)を務めた臨床心理士宮下啓子さん(59)=同市在住=は4月末で8年間活動した本県を離れ、大阪府へ帰郷する。震災10年目を迎えた被災地ではいまだに心のケアが必要で、新型コロナウイルス感染症で活動制限される子どもへの心の支援の課題も生じた。家庭の事情もあり後ろ髪を引かれながらも区切りをつけた。子どもたちを思い「人は必ず回復できる。今後も岩手と関わっていきたい」と前を向く。

 2011年5月に兵庫教育大チームの一員として大船渡市の2中学校で支援にあたった。翌年「阪神大震災を経験した者として、被災地の子どもたちの力になりたい」と教員を辞め、宮古市に移住。17年からは従来の配置型SCとして宮古広域で活動。幼児や高校生、教職員らのカウンセリングなど活動の幅を広げてきた。

 「人は傷ついても、やられっぱなしではない。必ず回復、成長できる」。遠く離れても、被災地の子どもたちを見守っていく。