【東京支社】本県の郷土料理を提供し、長年愛された東京都千代田区の居酒屋「南部や」(工藤義雄店主)は25日、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い客足が遠のき、39年の歴史に幕を下ろす。政府が緊急事態宣言を出し、経済対策を打ち出したが疲弊する現場には遅すぎ、無念の思いを募らせる。

 JR秋葉原駅前ビルの地下1階、赤ちょうちんが目印だ。二戸市出身の工藤店主(76)が1981年5月に開店した。料理は300~500円台とサラリーマンの財布に優しく、50席弱の店内はいつもにぎわっていた。

 終息が見えない中、工藤店主は「4月を乗り越えたとしても5月は無理だろう。従業員に給料が払えるうちに」と決断。緊急経済対策による支援策も出されたが「助成金が出ると言ってもいつになるか分からず、待っていられない」と嘆き、「お客さまに支えられた39年だった」と言葉を絞り出した。