大船渡市と東北大災害科学国際研究所(仙台市)などは7日、大船渡市盛町のリアスホールで東日本大震災伝承イベント「かたりつぎ~朗読と音楽の集い~」を開催した。2012年から東北各地で開かれ、本県では初めて。発生から9年を前に、被災者の証言朗読や講演を通じて震災の記憶、次なる災害への備えを発信した。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため「かたりつぎ」初の無観客開催。インターネットで動画中継し、1500人ほどが視聴した。静かな大ホールの舞台上で、俳優の竹下景子さんが県内外7人の証言を朗読した。

 その1人、陸前高田市の菊池沙也加さん(31)は、津波の犠牲となった兄勇輝さん=当時(25)=に代わり実家の畳屋を継ごうと奮闘している。「まさか、自分が継ぐとは思いませんでした。兄も、天国で、きっとびっくりしていることでしょう」。竹下さんはバイオリンとピアノの演奏に合わせ、情感を込めて読んだ。