星は理論上、太陽の8倍以上の質量に成長できないとされるが、宇宙にはもっと巨大な星が実在する。この矛盾を解く鍵となる現象を捉えた国立天文台水沢VLBI観測所の研究員ロス・バーンズさん(31)=英国ウェールズ出身=に取材する機会があった。

 高度な天文学の話をなかなかかみ砕けず、東京・三鷹で働くバーンズさんへの取材は約1時間に及んだ。バーンズさんの堪能な日本語にかなり助けられたとはいえ、専門用語の連続には骨が折れた。必死でパソコンのキーボードをたたいて翻訳サイトを参照しながら、用語の意味や現象の仕組みを一つ一つ確認。多忙な中、本当に根気強く丁寧に対応していただいた。

 不勉強と英語力不足をわびると「いえいえ、研究に興味を持ってくれてうれしいです」と笑ってくれた。直接会うことはできなかったが、距離と知識と言葉の三重の隔たりをどうにか越えられた分、かえって思い出深い取材となった。

 莫大な規模の設備や予算を要する天文学分野は一国で研究を進めるのが難しく、必然的に国際協力が進むという話を聞いた。

 何万光年と離れた宇宙の世界は夢があるが、その宇宙に迫るために地上の人々が国を越えて手を組む姿にも胸が打たれる。その大きな輪の近くで、電話越しの小さな国際協力ができたことが少し誇らしい。

(大森葉月)