新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)が広がる中、県内のマスク不足の窮状を本紙で伝えたところ、思わぬ「反響」があった。

 取材した盛岡市のスーパーのマスク売り場には品切れの注意書きが掲げられ、買い物客は残念そうに空の陳列棚をのぞいていた。話を聞くと、「孫がいるので心配」「子どもにうつせない」などと切実だった。このうち、在庫を探し回ったものの確保できず、落胆していた20代の女性会社員の声を紙面で紹介した。

 後日、同市の女性読者から本社に郵便物が届いた。開けてみると、新品のマスク5枚入りが2セット。同封されていた手紙には「マスクがないと途方に暮れた女性に渡してください」。取材した女性と連絡が取れず、頂いたマスクは送り主に返すことにしたが、この非常事態の中で、助け合いの精神を持つ「人の温かさ」に触れられた。

 一方、この危機につけ込み、悪さをたくらむ人も。県内では県立病院の臨時職員がマスクをネット上で転売し、県外では大量に盗まれる事件が発覚した。本当にマスクが必要な人がいるのに、自己中心的な行為は許せない。

 非常時こそ、共助の精神が大切だ。これは東日本大震災の教訓の一つ。マスクを送ってくれた女性の優しさに触れ、改めて気付かされた。

(鎌田 佳佑)